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不動産売却の想定外!その相続・譲渡不動産、価値ありますか? ケース⑥
建物が未登記売却不動産・不動産管理空家管理不動産の売却不動産の管理土地中古住宅2021年01月09日ご売却や買取の依頼、相談で最も多いのは、何と言っても相続などにより譲り受けた土地や建物です。
また、注文住宅をご検討の方で多いのは、ご実家、ご親族所有の土地を譲り受けて建築されるケースです。
注文住宅を土地取得からスタートされる方々にとっては、建物に予算を掛けられる分、非常に羨ましいですよね…。
でも、何も調べないで相続・譲渡によって手に入れたその不動産…。
坂戸市・鶴ヶ島市・川越市・日高市の不動産売却・査定・買取はお任せ!モモ・ホームブログです。
その相続・譲渡不動産、価値ありますか?
相続や譲渡により取得する土地・建物の価値はほとんどの方は、路線価を基に固定資産税評価額や相続税評価額として算出される額が不動産価値と考えています。
これらの評価額は税額を決める為に算出される価格であり、いわゆる『市場価値』や査定額は全く別の指標で価格が決まります。
通常は、評価額よりも市場価格の方が高くなるので、取得した不動産が何も問題が無く、市場のニーズがある地域であれば、評価額よりも実際に売却する価格が高くなる期待が出来ます。
ところが、私がご売却のお手伝いをした土地建物でも、稀に売却に苦労するケースがあります。
皆さん、共通するのは、ご売却の段階になるまで、相続・譲渡によって取得した不動産について「よく分からない」状態でした。
こんなケースがありました
これまで実際にあったこんな不動産をご紹介しましょう。
ケース⑥
建物が登記されていない!
この案件では、ご両親が亡くなった後の土地建物を相続により取得し、ご売却を希望されるお客様からのご相談でした。
よくある、普通の流れです。
人気のエリアに近い市街化調整区域内の土地建物で、なかなか広い土地が出る事が少ない中、敷地も広く、建物は数十年前に建てられているものなので、いわゆる「既存宅地」として売却が出来れば、どなたでも住宅建築が可能な土地として、かなりの価値が見込めるものでした。
しかし、現地調査とともにお話を伺うと、問題が生じました。
建物が未登記だったのです。。。
建物の登記
建物の新築の際、一般的には登記事項の表題部に表題登記を行い、権利部に所有権保存登記を行います。
これにより、だれがその新築した建物の所有者であるのかを公示することが出来ます。
最近の建物ではほぼ皆無と言えますが、数十年前の建物の中には、残念ながらこのような未登記物件は多数あります。
人間で言えば、生まれてから出生届を出さずに大人になってしまったか、引っ越しても結婚しても何も手続きせずに過ごしているようなものですから、その後の不都合が生じない訳がありません。
この未登記建物の売買にどんな問題が生じるのでしょうか。
未登記建物売買の問題は
未登記建物は表題登記、所有権保存登記がされていない、建物の所有者の登記がなされていない建物です。
未登記建物の売却が出来ないか?と言えば、売買は可能です。
しかし、そのままの状態で売買を行う際に大きな損害のリスクを抱えるのは買主様となります。
例えば、未登記建物をそのままの状態で、売主から購入し、実際に居住した場合、外見上は買主が住んでいる建物となりますが、登記をしていない為、第三者から見た場合、誰が所有者が分からない建物に住んでいる人、に過ぎない状態となります。
当然、かなりリスクを感じさせる状態だと言えますが、何がリスクかと言えば、もしこの状況で、元所有者が所有権の保存登記を行い、他の誰かに再度、登記済みの建物を売却して、その新たな買主が登記をしてしまった場合、未登記建物の状態で購入し、居住している買主は法的には、所有権を主張することが出来ず、出ていかなければいけなくなります。
このように、未登記建物は購入者にとって非常に大きなリスクを伴うものであるため、ご売却の場合、購入者に安心してもらえるよう準備が必要なのです。
未登記建物売却の準備
未登記建物のリスクの一端についてご説明しましたが、未登記建物をそのまま購入するリスクは、その登記手続きのルールにあります。
不動産登記法では、所有権の登記を行なえるものは規定されており、表題登記も未登記で、建築確認書類などの建築証明書面が揃っているなど、特別な場合を除いて、未登記建物の購入後に売主の協力なしでは所有権の登記が出来ないこととなっています。
ですから、売主側としては、買主様に安心して取引してもらうために、必ず、売主様名義の所有権保存登記を行ってから売買をし、買主に名義変更を行うことが必須となります。
また、建物が古い場合、知り合いや地元の工務店で建築して、建築確認申請などもせず、建築された年月なども証明することが出来ない(書類が一切残っていない)場合も珍しくありません。
運が良ければ、市役所に残っている場合がありますので、しっかり問い合わせを行いましょう。
建築確認の申請自体を行っていない場合、無申請で建築されている、ある意味、違法状態での建築物ですので、登記をすることも難しい場合があります。
このような場合、売買後に第三者が登記してしまうなどのリスクは少なくなりますが、建物に関して、いつ、誰が建築したか?が分からない状態の建物の売買となりますので、当然、買主のリスクは大きなものとなり、売却は簡単ではなくなります。
増築未登記の物件も同様
昔の建物の場合、建て増し(増築)を行って、増築部分の登記をしていないケースも多くみられます。
この場合も未登記建物と同様のリスクが生じます。
譲り受けた不動産、建物の場合、登記はされていても、登記面積と実際の面積が違う場合などは気が付きにくいものです。
不動産を譲り受けるような場合は、建物のみならず、登記されている面積と土地、建物の面積に相違が無いか?の確認を行い、保管資料から、設計図面や増築時の資料などがあれば、必ず保管しましょう。
昔の建物の場合、資料の有無で売却価格に非常に大きな影響を及ぼすことがあります。
調整区域内の場合、こんな影響が…
今回のケースに話を戻しますが、このケースの場合、建築確認申請すら行われていない、地元の工務店施工の建物であったため、改めて表題登記と保存登記を要するものでした。
売買自体には大きな影響が出なかったものの、市街化調整区域内の物件としては、残念ながら価値を大きく下落させることとなりました。
しっかり申請して登記も行っていれば、既存宅地、として都市計画法34条12号該当地にあっても、建築要件を外せる状況でしたが、登記、申請が無いがために、再建築する方においては、その方に建築要件が必要となってしまいました。
都市計画法第34条12号においては、自治体により条件がことなりますが、その土地で居住用建物を建築する場合、「本人または6親等内の親族が、建築しようとする市、または隣接市町村の市街化調整区域に20年以上継続して居住している」ことが要件となります。
この市街化調整区域としてのルールが規定される前から、宅地として家があって居住していた事実が証明出来れば、いわゆる「既存宅地」や「線引き前宅地」として認められ、34条12号適用外となります。
居住中は全く影響ありませんが、いざ売買する場合、売却価格に非常に大きな差が生じます。
このケースでは、それでも売却出来たので、良いですが、その後の土地の分筆などを経て、「再建築不可」の土地となってしまう場合も珍しくありませんので、注意が必要です。
まずはご相談を!!
このように単に未登記、と言っても、その対処方法はケースによって異なります。
相続・譲渡不動産のご売却を検討される場合は、まずは必ずご相談ください。
地域の相場以上や相場なりにご売却出来るかどうかは、その売却準備で状況が大きく変わります。
いらないと思って資料を破棄してしまってからでは遅い事もありますので、「まずは相談」です!
購入希望者に影響は?
最後にこのような物件の購入を希望される場合、ご購入希望の方が、住宅ローンの利用をする場合は影響が考えられます。
未登記建物や、建築確認の年月が不明の建物、未登記増築部分がある建物が対象となった場合、当然ながら、不動産の担保価値に影響がでますので、その部分の担保評価を得られない可能性は大です。
ご購入希望者に何の問題が無い場合でも、住宅ローンの減額があったり、最悪の場合は住宅ローンが組めない、などのリスクがあります。
そういった評価を受ける建物だった場合、売主様としては、購入希望者は「現金購入」が可能な方に絞られてしまいますので、相場なりでもご売却が難しくなるのは言うまでもありません。
昔の建物、相続したご実家や放置状態の空き家など、土地建物に潜んでいるかもしれないリスクを知る事で、売却時の想定外の負担を回避できるかもしれません。
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