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不動産売却の想定外!その相続・譲渡不動産、価値ありますか? ケース⑦
解体費が膨大に!売却不動産・不動産管理空家管理不動産の売却不動産の管理土地2021年01月10日ご売却や買取の依頼、相談で最も多いのは、何と言っても相続などにより譲り受けた土地や建物です。
また、注文住宅をご検討の方で多いのは、ご実家、ご親族所有の土地を譲り受けて建築されるケースです。
注文住宅を土地取得からスタートされる方々にとっては、建物に予算を掛けられる分、非常に羨ましいですよね…。
でも、何も調べないで相続・譲渡によって手に入れたその不動産…。
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その相続・譲渡不動産、価値ありますか?
相続や譲渡により取得する土地・建物の価値はほとんどの方は、路線価を基に固定資産税評価額や相続税評価額として算出される額が不動産価値と考えています。
これらの評価額は税額を決める為に算出される価格であり、いわゆる『市場価値』や査定額は全く別の指標で価格が決まります。
通常は、評価額よりも市場価格の方が高くなるので、取得した不動産が何も問題が無く、市場のニーズがある地域であれば、評価額よりも実際に売却する価格が高くなる期待が出来ます。
ところが、私がご売却のお手伝いをした土地建物でも、稀に売却に苦労するケースがあります。
皆さん、共通するのは、ご売却の段階になるまで、相続・譲渡によって取得した不動産について「よく分からない」状態でした。
こんなケースがありました
これまで実際にあったこんな不動産をご紹介しましょう。
ケース⑦
建物解体に膨大な費用がっ!
今回は、ご両親さまがご自宅兼事業所(工場)で事業を営んでおり、相続により、廃業、不動産のご売却の時に生じたご家族にとっては想定外、のケースです。
これらのケースの場合、譲り受けた不動産はご自宅をレンズ加工工場、別のケースでは、食品加工工場、などの事業用不動産でした。
どちらも大きな音や振動を伴うものでは無かったので、割と周辺の住宅も多く、立地自体は悪くない場所なので、敷地の広さもあり、通常で考えれば住宅用地として5区画~10区画取れるような、「良い土地」のはずでした。
しかし、この事業に使われていた建物がネックとなりました。
工場内に変圧器が設置されていたのです。
この工場は昭和47年以前に建てられたものであり、以降、使用が禁止されることとなった有毒物質「PCB」を使用している変圧器でした。
PCBは「ポリ塩化ビフェニル」の略称で、人工的に作られた、主に油状の化学物質です。絶縁性、不燃性などの特性により変圧器やコンデンサーなどの電気機器を始めとして幅広い用途で利用 されていましたが、昭和43年にカネミ油症事件が発生するなど、その毒性(人の健康・環境への有害性)が社会問題化し、国内では昭和47年以降その製造が行われていません。
昭和47年以前の変圧器にはPCBが使用されている可能性があるので、古い工場の解体には注意が必要です。
このPCB使用の変圧器、処理には専門の処理施設(日本には5カ所しかありません)での処分が義務付けられており、更に処理できる業者も限られています。
当然に費用は場合によってはビックリするような価格となる事もありますが、このPCBは、費用が掛かるからと言って、処分しない訳にはいきません。
2022年3月31日を期限に処分を委託しなければいけないのです。
現在、利用しているまたは、敷地内にPCB使用の変圧器などがある方は、今年の3月までに処分委託しなければ、事実上、処分することが出来なくなってしまいます。
このケースは数年前でしたので、それでも計算外の解体コストを強いられることとなりました。
さらに、昔の工場ですから、有害な物質を使用しています。
「アスベスト」です。
こちらも現在は使用禁止、吸い込むと肺気腫などを引き起こす有害物質です。
処分費はその建材のアスベスト含有率により大きく違いが出ますが、アスベストが含まれる建材の建物の場合、現在は、飛散防止の為、完全に建物を覆って解体することとなります。
これも多くは専門業者が解体から処分まで行います。
良く見るような昔ながらの工場ですが、多くの場合、アスベストが含まれています。
普通の解体業者にお願いしても、この「PCB」や「アスベスト」のような有毒、有害な物質の処分には、専門業者が関わることとなり、解体費が膨大となることがあります。
せっかく高く売却できそうな物件でも、このような場合、そのままの売却も困難であり、逆に上物が価値を下落させる要因となりかねない為、譲り受ける段階で良く調べる必要があるのです。
他にも普通の建物と比較して、解体費がかさんだり、意外と処分に苦労するものとして、木造以外の建物(鉄骨や鉄筋コンクリート)。
プレハブのような組み立て式や、解体後に鉄を売却出来れば安くなることもありますが、木造より高くなるケースが多いようです(鉄筋コンクリートは高いです)。
写真のように、庭石のようなものも意外な費用が掛かります。
古い場合、下水処理が吸い込み槽(汲み取り)の場合や、敷地内に井戸、社があると、やってくれない業者さんもいます。
大きな敷地でしたが、写真のような大木があるケースも、当然、専用の重機を必要とするなど、大変な費用となります。
重機を必要とする解体工事はその敷地の間口や、接ししている道路の幅員が狭い場合、限られた大きさの重機やトラックしか出入り出来ない為、搬出費用や人が行う作業が増え、工事費用が膨大になる可能性があります。
不動産のご売却は、相場とは全く関係ない、その物件それぞれの事情により、市場売却価格に大変大きな影響が出ます。
近所の価格から、算段する前に、まずはご相談ください!
最後に、解体を要する場合、解体業者さんも価格競争がありますので、相見積もりで少しでも安いところで、と思うかもしれませんが、ご存じの通り、「不法投棄」をする業者が存在するのも事実です。
現在の法律では、依頼した業者が不法投棄をした場合、依頼主にまで責任が及ぶ可能性があります。知らなかった、では済まないのです。
きちんとした解体業者さんは、処分の工程を書面に残す「マニフェスト」を作ってくれます。
激安の業者ではないかもしれませんが、後々、不法投棄の責任を問われるリスクを考えれば、安心できる業者さんにお願いする事を優先すべきでしょう。
譲り受けた不動産、事業用不動産のご売却、事業の縮小などで資産の一部売却などのご相談も増えています。
先々そのような検討をされている、なども場合でも遠慮なく、まずはご相談くださいませ!
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